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磯貝 慎一郎 税理士

昭和46年生まれ
平成6年3月 関西大学商学部商学科卒業
平成11年3月 同志社大学大学院商学研究科修了


税理士試験は落とすための試験


国家試験全般にいえますが、税理士試験も落とすための試験と言われています。

大学入試問題は教育的配慮から教科書の中からしか出題されないケースが多いですが、税理士試験の場合、そういう配慮はあまりないと思った方がいいです。

また、試験時間(2時間)に対し試験問題の量がかなり多い科目が大半ですので、時間戦略がかなり重要です。

解いたらいけない蟻地獄問題

極端にいうと解かずにパスすべき問題も存在します。

以前、相続税法の試験で、郵便局の定額貯金の評価額を算定せよという出題がありました。
計算自体は元本+利息で利息は半年複利計算(出題問題は9年分の利息計算でした)と簡単なのですが、端数処理のルールが厳格に決められており、計算に時間がかかるばかりか、1円までの正確な回答がかなり難しいです。

よって、チャレンジしても大事な試験時間をロスする上に正解にもならない確率が高いです。つまり、解かないでパスするのが正解なワケです。解いたらお終いとの意味で蟻地獄問題って呼んでました。

このように、税理士試験は10人中9人を落とすような問題を作っています。従って、高校や大学の受験しか試験勉強を経験していない人は、はじめのうちは試験の非情さに面食らうことが多いです。


税理士試験は各スクールを研究して作られてる?

教授の机の上に某大手受験予備校のテキストが・・・

一つ面白い話があるのですが、受験予備校の先生って、税理士試験を日々研究して テキストを作ったり、模擬試験を作ったりしていますよね?

あれって実は逆も同じなんです。

つまり、税理士試験を作る側も大手受験予備校の教材を研究しながら試験問題を作っているのです。

私が大学生だった頃、指導教授が当時の税理士試験の問題作成担当でした。ある時に教授の部屋を訪れたら、某大手受験予備校のテキストが山積みになっているのを発見した経験があります(笑)。

つまり、建前上60点以上を合格としておきながら、実際は10%程度しか合格者を出せないので、試験問題が簡単すぎたり難しすぎたりして合格率を大きく変動させるわけにはいかないのです。

つまり、問題作成担当者も受験予備校のテキストを見てレベルを計っているわけです。


税理士試験は運も大事

税理士試験は実力だけでは受からない!?

司法書士試験などの税理士試験以外の国家試験は出題範囲も広いし一発合格制であるものが多いので、自然と実力上位者から順番に合格していく傾向があります。

しかし、税理士試験は科目合格制です。一度合格した科目は生涯残ります。
これが税理士試験の特長として紹介されることが多いのですが、逆にこの制度により合格しにくい仕組みが生まれていると思います。

なぜなら、毎年1-2科目程度しか勉強しない人がほとんどですので、一つの科目に対する勉強の密度が必然的に濃くなります。そして先ほども言いましたが、税理士試験は実質的に10%程度が合格する競争試験です。

法人税法や所得税法など、試験範囲が比較的広く必要勉強量が多い科目の場合は実力上位者は比較的順当に合格しやすいと言われてますが、消費税法、酒税法、国税徴収法などのいわゆるミニ税法と言われるものは試験範囲が狭いので、受験者間で点数差がつきにくいです。

私が受験時代に予備校の先生から聞いた話では、試験合格者の統計を見ると、ミニ税法は大体予備校の成績上位者30%ぐらいから満遍なく合格者が出ているそうです。つまり、それなりに勉強した上で後は3分の1程度の確率のくじ引きに参加するようなイメージになります。運が必要なワケです。

逃げずに、難関にチャレンジ!

変にミニ税法に逃げてしまうと、むしろそこから無限の受験地獄が広がると思った方がいいです。税理士受験界には20年や30年間受験しつづけて結局5科目揃わない人も多数存在します。

他の国家試験ならならその前に普通は諦めますのでこれほど長期の受験期間にはならないと思います。そういった地獄にはまりたくなければ、むしろ所得税、法人税や相続税法という勉強さえすれば受験者間の差がつきやすい科目がベストです。

つまり、早く合格したければ、あえて難しい科目に行く方が近道なのです。

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永年にわたる研究とノウハウを結集し、「大原方式」という独自の教育システムを確立しています。 長年のノウハウを結集し、「解りやすい」だけでなく、効率的な学習のための講師・教材を提供しています。 ライフスタイルにあったオンデマンドや一流の講師陣によるライブ講義など、効率的な学習で資格取得へ。 「受講生に合格していただくこと」を常に考える「合格至上主義」メソッドで、今も厚い信頼と支持を頂いております。
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